息子が1歳になりました。台湾には、1歳の誕生日に将来を占う「抓周(ジュアジョウ)」という伝統行事があります。この記事では、日本の「選び取り」とよく似たこの行事を自宅でやってみた一日の様子と、道具を手軽にレンタルする方法をご紹介します。
抓周(ジュアジョウ)とは?台湾版「選び取り」
抓周は、台湾をはじめ中華圏に古くから伝わる1歳のお祝いです。赤ちゃんの前にいろいろな道具を並べて、最初に手に取ったもので将来の職業や才能を占います。
……と聞いて、ピンと来た方も多いのではないでしょうか。そう、日本の「選び取り」とほとんど同じ発想なんです。抓周は、いわば台湾版の「選び取り」。そろばんなら商才、筆なら学問の道……と、並べる道具まで似ています。海を挟んだ2つの国に「1歳の節目に人生を占う」という同じ文化があるって、なんだか素敵だなと思います。
どこでやる?専門の施設もあります
まず場所について。台湾には、抓周を専門に開催してくれる施設もあります。道具はもちろん、華やかな飾り付けや司会進行までおまかせできて、食事が用意されるプランがあるところも。一方で、わが家のように自宅で開催するスタイルも定番です。
わが家は参加人数が少なめだったことと、予算を考えて自宅開催を選びました。どちらが正解ということはないので、お財布と相談しながら、わが家に合うスタイルを選んでくださいね。
道具は蝦皮でレンタルできました
自宅でやると決めたら、次は道具の準備。「伝統行事」と聞くと大変そうですが、いまの台湾はとても便利で、道具一式がネットでレンタルできます。わが家は台湾の大手ECサイト「蝦皮(シュピー/Shopee)」を利用しました。
わが家が借りた内容はこちらです。
- 抓周の道具20点セット:450元
- 聰明門(後述するくぐり門):+450元 → 合計900元
- セットには1歳用の帽子や壁飾りなどの飾り付け小物、抓周証書、1歳用キャンドルも付いていました
ほかに紅亀粿(お祝いのお餅)や鶏もも(のおもちゃ)などが入った8点セット(360元)もありましたが、今回は見送り。行事の2日前に道具が届いて、当日は飾り付けから本番までこのセットだけでほぼ完結しました。
道具の中身はこんな感じ
抓周の道具は「将来の職業や才能」を表すものたち。昔ながらの定番は、そろばん(商売・会計)・書物(学者)・印章(リーダー)あたりですが、最近のセットは現代の職業も充実しています。
わが家の20点セットには、そろばんや書物のほか、聴診器(お医者さん)、カメラ(カメラマン)、タブレット(IT系)、大工道具(エンジニア・職人)、まな板と包丁(料理人)、レジスター、虫眼鏡、なわとび、積み木、楽器……と、かわいい木のおもちゃがずらり。付属の赤い布に並べるだけで、リビングが一気にお祝い会場になりました。

レンタル品は使用後2日以内に返送が条件でした(ショップにより異なります)。お祝いの余韻に浸っているとあっという間なので、返送日をあらかじめカレンダーに入れておくのがおすすめです。
当日の流れ
わが家は自宅で開催。私の両親と、夫の家族も日本からわざわざ台湾まで飛んできてくれて、日台両家がそろってのお祝いになりました。
① 銅鑼を鳴らして、吉祥話
まずは年長者が銅鑼(ドラ)を鳴らしながら、吉祥話(ジーシャンフア/おめでたい言葉)を唱えます。にぎやかな音とともにお祝いが始まる感じ、いかにも台湾らしい幕開けです。
② 聰明門をくぐる
次は「聰明門」という小さな門をくぐります。名前のとおり「賢い子に育ちますように」という願いを込めたゲートです。
面白いのが、門からぶら下がっている飾り。よく見るとネギなんです(わが家のセットは毛糸で編んだかわいいネギでした)。これは「聰明」の「聰(ツォン)」と、ネギ=「蔥(ツォン)」の発音が同じことにかけた縁起物。台湾では「賢くなりますように」=ネギという語呂合わせがあるんですね。日本でいう「よろこぶ=昆布」のような感覚でしょうか。台湾では受験生を応援するときにもネギが登場します。


③ いよいよ抓周本番
床に道具をずらりと並べて、いよいよ本番。わが家は3つ選ぶ方式でやりました。
本番前、道具を並べていたときのこと。年長者たちが、飲食業やサービス業にまつわる道具をそっと後ろの列へ移動させていました。理由を聞くと「将来苦労するから」。……台湾の親心、直球です(笑)。占いと言いつつ、並べる側の願望がしっかり配置に出るのが抓周なのでした。
結果発表:息子が選んだ3つは……
息子が手に取ったのは、算盤(そろばん)・飛行機・虫眼鏡の3つ。セットの説明書によると、算盤は会計士や商売の才能、飛行機はパイロットやキャビンアテンダント、虫眼鏡は科学者を意味するそうです。

面白かったのが選び方。最初の2つ(算盤と飛行機)は迷いゼロの即決で、しかも取るたびになぜかパパへ献上。ところが3つ目になると、ハンマー・虫眼鏡・元宝(昔のお金)の間で腕が行ったり来たり。しばらく悩んだ末に、最後は虫眼鏡をぎゅっと掴みました。1歳なりに何か考えていたんでしょうか。

即決2つをパパに献上って、将来は親孝行の才能かも?

日本からやってきた一升餅
そしてわが家のお祝いには、もうひとつの主役がいました。夫の家族が日本から持ってきてくれた一升餅です。
日本の和菓子屋さんに注文した紅白のお餅で、つきたてはやわらかいけれど、固くなってからでは切り分けられない——ということで、お店にあらかじめカットしてもらった状態で海を渡ってきました。この段取り、さすがです。

一升餅を背負った息子、泣きはしなかったものの、重さでよろよろ……結果、3回転倒。倒れるたびに、床の上から「え、なにこれ」という顔で大人たちを見上げて助けを求めるのがなんともいじらしくて、みんな目を細めながら、そのたびにそっと救出しました。お餅は終わったあと、みんなで分けておいしくいただきました。

銅鑼と吉祥話で始まる誕生日、新鮮でにぎやかだったなあ
夜はみんなで火鍋パーティー
お祝いのあとは、両家そろって海底撈(ハイディーラオ)へ。台湾の火鍋店はお誕生日のお祝いにも慣れていて、にぎやかな一日の締めくくりにぴったりでした。抓周に一升餅に火鍋と、日台ミックスな1歳の誕生日。息子が大きくなったら、写真を見せながらこの日の話をしてあげたいと思います。
※記事中のレンタル価格・セット内容は2026年7月時点の一例です。ショップやプランにより異なりますので、最新情報は各ショップのページでご確認ください。

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